民法改正対応

【民法改正】中小企業経営者が時効に関し知っておくべき3つポイント

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令和2年4月1日に、民法が改正され、消滅時効制度も変更となりました。

中小企業経営者が最低限押さえておくべきポイントは3つです。

1 改正後の消滅時効制度が適用されるのは、令和2年4月1日以降に発生した債権であること

2 消滅時効の期間は、原則5年となったこと

3 協議による時効の完成猶予制度の新設されたこと

 旧民法の消滅時効制度の概要については、以下の記事に記載をしていますので、こちらを参考にしてください。

 

1 改正後民法の適用となる債権とは

改正後民法の適用を受けるのは、令和2年4月1日以降に発生した債権が対象となります。

例えば、令和2年3月1日に取引をした売掛金の支払いが同年4月末だった場合には、3月1日の取引に基づき売掛金が発生していますので、旧民法の規定が適用されます。

旧民法、改正後の民法のどちらが適用されるのかについては、債権の発生の原因とする法律行為(売買契約、サービス提供等)をした日を基準として考えていくことになります。

2 消滅時効の期間は

旧民法では、消滅時効は、債権の種類毎に期間が異なっていました。たとえば、商品の売買代金の債権の消滅時効は2年とされていました。そのため、自分が有している債権の時効期間が何年か不明であることも多く、債権管理が困難となっていました。

そこで、改正民法では、消滅時効期間が統一され、以下のいずれかに該当する場合には、消滅時効が完成することとなりました。

1 権利を行使することができることを知った日から5年間

2 権利を行使することができるときから10年間

1の要件である「権利を行使することができることを知った日から5年間」は、以下の要件をみたしたときに消滅時効が進行します。

①権利行使を期待してもやむを得ない程度の権利の発生原因等を認識して「債権者が権利することができることを知ったこと」

②「権利を行使することができること」

たとえば、令和2年4月15日に取引をした売掛金を令和2年6月末までに支払うという合意があったとしましょう。

この場合、債権者は、6月末を経過すれば権利行使をすることができることが知っていますので、①の「債権者が権利することができることを知ったこと」要件を満たします。

また、債権者は6月末を過ぎれば、権利行使をすることもできますので、②の「権利を行使することができること」の要件も満たすことになります。

したがって、消滅時効は、令和2年7月1日から進行し、5年後の令和7年6月30日をもって、完成することになります。

基本的な考え方としては、旧民法と同じであり、請求できるようになってから、5年で時効になると考えておけば問題ありません。

ただし、対象となる債権は、令和2年4月1日以降に発生した債権です。

旧民法が適用され消滅時効期間が2年であったにもかかわらず、5年であると間違えて消滅時効にならないように注意をしましょう。

3 協議による時効の完成猶予制度の新設

旧民法では、当事者間で話し合いをしていても消滅時効の進行を止めることができませんでしたが、改正民法では、当事者間の合意で時効の完成を1年以内の期間で遅らせることができるようになりました。

この合意は、書面または電磁的記録に作成されたもので足り、署名・押印は必要ないとされています。

たとえば、メールで協議の申し入れがそれに対し、債務者が受託をすれば、協議を行う旨の合意がされたとされます。

時効の完成猶予・更新の方法については、以下の記事に詳しく書いていますので参考にしてみてください。

 

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